筒美遼次郎のブログ

読んだ本・見た動画・体験談などについて書きます。

『 おれは非情勤』

『 おれは非情勤』 (集英社文庫)は小学生向けに書かれた推理小説の短編集。 非常勤講師をしている若者が主人公なのだが、『おれは非常勤』ではなく『おれは非情勤』という題名になっている。「非情」というのは別に「自分のために必要ならば冷酷に他人を殺す…

『ちゃれんじ?』

『 ちゃれんじ?』 (角川文庫)は、東野圭吾が書いたにしては分量が少なくて、250ページくらいの本で、小説ではなくエッセイが中心である。 舞台となっている地域は、主に東京から行かれる新潟県や山形県などのゲレンデのある場所で、時代は現代。 「小説「…

『作家の値打ち』と東野圭吾

『作家の値うち』は2000年に発売された本で、作者は文芸評論家の福田和也氏。 読んだことがある人も多いと思うが、内容を一言で言えば、エンターテイメントと純文学双方の(その当時の)現役主要作家の主要作品すべてについて100点満点で採点し、ごく…

『夢はトリノをかけめぐる』

『夢はトリノをかけめぐる』 (光文社文庫)は、本の題名と同名(以下「夢はトリノ」と略す)の冬季オリンピックを紹介するエッセイと『2056 クーリンピック』という短編小説から成る280ページくらいの本である。本の題名は、前半のエッセイの題名から…

東野圭吾の分類学 その2 小説等の舞台となっている地域で分類する方法

一人の小説家の作品を、主に小説の舞台となっている地域で分類する方法がある。 例えば、渡辺淳一だったら、「北海道もの」「東京もの」「京都もの」「伝記もの」という分け方が有力ではないだろうか。「北海道もの」というのは渡辺淳一が生まれ育ち、学生時…

東野圭吾作品の分類学

作家の作品をいくつかの系統にわけるというのは、わりあいよくあることだと思う。 わかりやすくわけられる作家としては、例えば、帚木蓬生や宮尾登美子がいる。 帚木蓬生の場合は、テーマによって、医学ものと近現代史というふうにわけるのが適当だと思う。…